調査会社アイ・ティ・アール(ITR)が2026年5月11〜21日、従業員300人以上の企業を対象に実施した「システム技術者の契約単価に関する調査」(有効回答829件)を、@ITが9月11日に詳報した。生成AIやエージェントで既存業務は効率化する一方、IT人材市場が飽和したのではなく、企業の確保難が続いているという内容だ。
職種別では、システム技術者を「確保できていない」と答えた企業は全職種で3割を超えた。上級システムエンジニアは42%、上級コンサルタントは40%で、高度な専門性を求める職ほど足りない。需要は「非常に増加」28%、「やや増加」62%で合計90%。ITRの継続調査で9割に達したのは初めてだ。要因の上位は「DXプロジェクトの推進」「生成AI活用など新規テクノロジの調査・研究」「セキュリティ管理の強化」だった。
需給の逼迫は単価にも表れ、2026年度は上級コンサルタントと上級システムエンジニアで上昇が顕著だという。ITRのプリンシパル・アナリスト水野慎也氏は、一時的な採用難ではなくDXと生成AI拡大を背景にした構造的課題だと分析し、採用強化に加え、シニアや地方人材、オフショア、AIによる効率化を組み合わせた多面的戦略を求めている。
実務への影響
生成AIで単純作業は減っても、適用判断や設計、セキュリティを担える上級層の需要は増えている。キャリアでは実装速度だけでなく、新技術の適用判断と説明責任が単価と採用競争力に直結する。採用側は人数目標より、上級層の定義と育成・外部活用の組み合わせを先に決める必要がある。